CO₂分離回収パッケージ"GX-Marble"の実証試験でCO₂回収に成功〜バイオガス由来のCO₂を回収し、NETsの社会実装に貢献〜

2024年8月6日
JFEエンジニアリング株式会社

JFEエンジニアリング株式会社（社長：福田 一美、本社：東京都千代田区）は、このたび、当社が開発したCO₂分離回収パッケージ"GX-Marble^※1"の実証試験において、バイオガス発電設備の燃焼排ガスから濃度99.5％のCO₂を回収することに成功しました。

"GX-Marble"は、膜分離法と物理吸着法のハイブリッド型のCO₂分離回収パッケージであり、燃焼排ガス中の低濃度CO₂を低消費エネルギーにて高濃度に分離・回収できる設備です。

本実証試験は、株式会社Jバイオフードリサイクル(社長：蔭山 佳秀、本社:神奈川県横浜市)横浜工場にて、食品廃棄物から発生させたバイオガスを燃料とするガスエンジン発電の燃焼排ガスを用いて実施しています。回収したCO₂はバイオマス由来のため、CCU^※2のみならず、貯留することによってネガティブエミッション技術（以下、「NETs^※3」）の一つであるBECCS^※4を実現でき、カーボンネガティブを達成することが可能です。

本実証試験で得られた成果を基に、"GX-Marble"の今年度中の商品化を目指します。"GX-Marble"は、比較的小型の燃焼ガス排出設備に適しているだけでなく、自動運転機能を搭載予定であり、幅広いお客様にご使用いただける商品になります。

当社は、本実証試験に加え、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）に採択され、開発を進めている"GX-Opal^※5"や"GX-Crystal^※6"等の技術開発を加速させ、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。

• ※1 GX-Marble：「Membrane and Adsorption Recovery By Less Energy-consumption」の略。商標登録出願中。
  https://www.jfe-eng.co.jp/news/2023/20230720.html
• ※2 CCU：「Carbon dioxide Capture and Utilization」の略。
• ※3 NETs：「Negative Emission Technologies」の略。
• ※4 BECCS：「Bioenergy with Carbon Capture and Storage」の略。
• ※5 GX-Opal：「Optimized Permeation-Adsorption Linkage」の略。商標登録出願済。
  https://www.jfe-eng.co.jp/news/2023/20231226.html
• ※6 GX-Crystal：「CO2 Recovery by Yielding Solid and Transportation As Liquid」の略。商標登録出願中。
  https://www.jfe-eng.co.jp/news/2023/20230817.html

CO₂分離回収パッケージ"GX-Marble"概要

"GX-Marble"概要

CO₂分離回収方式	膜分離法と物理吸着法のハイブリッド型
回収CO₂量	3t/日（1基）
回収CO₂濃度	99.0 %以上（目標 99.5 %）
消費エネルギー	2.0 GJ/t-CO₂以下（目標 1.5 GJ/t-CO₂）
商品形状	40ftコンテナ形状※7（単数または複数）

• ※7 L12.2m×W2.5m×H2.6m

実証試験概要

対象排ガス	バイオガス発電設備の燃焼排ガス
実証期間	2024年7月～2024年12月

バイオガス発電施設への適用イメージ

GX-Marble商品イメージ

当社CO₂分離回収技術のラインナップ

以上