上下部一体構造橋梁の構築工法
RI-Bridge工法(Rapid Integrated Bridge Method)
テクノロジーの概要
RI-Bridge工法は鋼桁上部構造と橋脚下部構造とを剛結し、ラーメン形式とする上下部一体構造橋梁の構築工法です。鋼桁上部構造と鉄骨コンクリート複合構造橋脚とを剛結することにより、落橋に対して安全等の剛結構造のメリットとSC構造橋脚のメリットの双方を併せ持つ工法です。本工法は橋脚部にREED工法を、剛結部にセル構造を採用しており、従来の剛結形式橋梁と比較して大幅な省力化と工期短縮を可能としています。
RI-Bridge工法の特長
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上下部一体構造とすることで、橋脚・桁を含む橋梁全体系で挙動するため耐震性能が向上します。また、落橋に対して安全であるとともに、橋脚基部の橋軸方向の曲げモーメントも小さくできます。
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橋脚部にREED工法を採用しているため、橋脚部が高い耐震性能を有するとともに、耐久性に優れ、メンテナンスにかかる労力・費用が低減できます。また、橋脚構築時の急速施工や労力の削減が可能です。
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セル構造を採用することにより剛結部内の煩雑な配筋作業が省略できるので、剛 結部構築時の施工速度が向上します。
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橋脚部は矩形・円形、中空・中実断面に採用できます。また、上部構造は2主I桁・ 多主I桁、箱桁・2箱桁に採用できます。
セル構造の提案
横桁を多室セル構造化し、ストライプHへ挿入後、セル中にコンクリートを充填
現場における配筋作業が不要です
要素実験による設計法の確立
引き抜き実験を行い、付着強度を算定しています。
定着長算定式の構築
正負交番載荷試験の実施
設計法の妥当性の検証
テクノロジーの概要
剛結構造によるメリット
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橋脚,桁を含む構造全体系で挙動するため耐震性能が向上します。
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橋脚基部の曲げモーメントが減少し,部材断面の縮小,鋼材量の低減が図れます。
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落橋に対して安全であり,落橋防止装置が省略できます。
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支承構造が不要であり,メンテナンスにかかる労力・費用が削減できます。
SC構造橋脚(REED工法橋脚)によるメリット
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鉄筋に比べて座屈抵抗性の高いストライプHを主鋼材として用いるため,橋脚部が高い耐震性能を有します。
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橋脚部の躯体表面にSEEDフォームを使用するため美観性・耐久性に優れ,メンテナンスにかかる労力・費用が削減できます。
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ストライプHを用いるためRC橋脚における主鉄筋に比べて主鋼材本数が減ることや,本体の一部として採用可能なSEEDフォームを使用することなどから,橋脚構築時の急速 施工や労力の削減が可能です。
セル構造によるメリット
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鋼板の拘束効果によりストライプHの付着性能が向上し,剛結部に確実に定着されます。
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剛結部内の煩雑な配筋作業が省略できるので,剛結部構築時の施工速度が向上します。
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剛結部の応力の流れが明確になるため、設計を簡素化できます。
テクノロジーの概要
外部評価
実績
中国地上整備局から発注された呉港阿賀地区道路(1号線)では、全長710m、幅12.5mの橋梁上部工と6本の橋脚の剛結部に本工法が採用され、平成23年2月にしゅん工しています。