沈埋函
比較的浅い海底トンネルを築造する工法に、沈埋トンネル工法があります。沈埋トンネル工法は、施工性・経済性から、いくつかのエレメント(沈埋函)に分割され、ドック等の製作ヤードで製作されます。沈埋函の構造は、鋼殻およびコンクリートで構成される合成構造が一般的で、フルサンドイッチ式とセミフルサンドイッチ式(オープンサンドイッチ式)があります。
工法の特徴
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高剛性かつ高耐荷力
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鋼殻が浮体構造であり、洋上でコンクリート打設可能
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鉄筋量の低減、型枠・支保工の施工量の低減
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現地急速施工
ハイブリッド沈埋函(工法概要)
1.概要
港湾区域内での航路や運河の横断路として、採用される
(沈埋トンネルに比べ、橋梁やシールドトンネル工法は、アプローチ部が長くなり、トータルコストが高くなる)

フルサンドイッチタイプ
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鉄筋を使用しない
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高流動コンクリート を充填

セミフルサンドイッチタイプ(オープンサンドイッチタイプ)
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一部、鉄筋を併用する
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普通コンクリート を打設する

実績例
工事名称 | 隅田川(吾妻橋下流)右岸テラス工事(その2-2) |
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発注者 | 東京都 |
目的・機能 | 親水護岸 |
施工年度 | 2012年度 |
寸法緒元 | 長62.0×幅3.75×高4.2m |
製作数 | 1函 |
重量 | ― |
鋼重 | 265t |
コンクリート体積 | ― |
設計概要 | 設置水深-2.35m |
特徴・機能 | 鋼管杭基礎 |

工事名称 | 新若戸道路沈埋トンネル部製作工事 |
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発注者 | 国土交通省九州地方整備局 |
目的・機能 | トンネル(車道) |
施工年度 | 2007年度 |
寸法緒元 | 長79.0×幅27.9×高8.4m |
製作数 | 1函 |
重量 | 18,250t |
鋼重 | 1,940t |
コンクリート体積 | 6,660m3(中流動) |
設計概要 | 設置水深-20m(計画水深-9m) |
特徴・機能 | フルサンドイッチ構造、海洋ドック製作(吃水4.1m) |
工事名称 | 大阪港夢洲トンネル沈埋函製作工事 |
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発注者 | 国土交通省近畿地方整備局 |
目的・機能 | トンネル(車道+地下鉄軌道) |
施工年度 | 2004年度 |
寸法緒元 | 長97.0×幅36.0×高9.4m |
製作数 | 1函 |
重量 | 29,000t |
鋼重 | 3,360t |
コンクリート体積 | 10,900m3(高流動他) |
設計概要 | 設置水深-29m(計画水深-16.2m) |
特徴・機能 | クラウンシール継手、セミフルサンドイッチ構造 |
工事名称 | 那覇港(那覇ふ頭地区)道路(空港線)沈埋函製作工事 |
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発注者 | 国土交通省沖縄総合事務局 |
目的・機能 | トンネル(車道) |
施工年度 | 2003年度 |
寸法緒元 | 長90.0×幅36.9×高8.9m |
製作数 | 1函 |
重量 | 30,800t |
鋼重 | 2,910t |
コンクリート体積 | 11,390m3(高流動) |
設計概要 | 設置水深-24.2m(計画水深-12.2m) |
特徴・機能 | ベローズ継手、海洋ドック製作(吃水1.0m) |