脱炭素・低炭素

持続可能な航空燃料(SAF)を製造できる新触媒を共同開発
~世界TOPクラス※1(従来比2倍超)の収率を実現し、SAFの普及に貢献~

JFEエンジニアリング株式会社
富山大学

JFEエンジニアリング株式会社(社長:福田 一美、本社:東京都千代田区)は、国立大学法人富山大学(学長:齋藤 滋 、本部:富山市、以下「富山大学」)と共同で、航空分野の脱炭素化において最も期待されている手段である持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel: SAF※2)を製造可能な新触媒を開発しました。

この新触媒は、一酸化炭素(CO)と水素(H2)の混合ガスからSAFを製造するために必要なFischer-Tropsch(FT)合成※3に用いられるものであり、富山大学学術研究部工学系の椿範立教授が開発した触媒※4、5の性能を高め、SAFに適した液体炭化水素の収率※6が50%以上となる高い性能を持つことから、生産性の高いSAF合成プロセスが実現できます。
従来のFT合成触媒では、得られる炭化水素を水素化分解※7によりSAFに適した炭素数に変換することが必要となり、この水素化分解でのロスも含めるとSAFの収率は25%程度に留まります。一方、今回新たに開発した触媒を使用したFT合成は、多額の設備投資が必要な水素化分解プラントと水素の新規投入が不要になるため設備コストが大幅に削減できるだけでなく、FT合成のみのプロセスでSAFを従来比2倍以上の収率で製造することができます。
現状国内外のSAF製造の原料は廃食油が中心ですが、食用油資源の供給不足の観点からバイオマスや都市ごみなどの廃棄物へ多様化していき、長期的には発電所や工場から排出され回収したCO2と再エネ由来などの水素(H2)を合成して製造される合成燃料が重要な位置づけを占めると予想されています※8。これらの原料からSAFを製造するには、FT合成が不可欠であり、そのFT合成に今回の新触媒が活かされることになります。

JFEエンジニアリングと富山大学は、本触媒によるSAF合成プロセスのさらなる開発を継続するとともに、SAFの普及拡大を通じて航空分野の脱炭素化の実現に貢献してまいります。

  • ※1:JFEエンジニアリング調べ(2026年3月)
  • ※2:Sustainable Aviation Fuel SAF:持続可能な航空燃料。廃食油原料のHEFA、バイオエタノール原料のATJ、廃棄物等のガス化ガスを原料とするFT合成など様々な検討が進行中
  • ※3:Fischer-Tropsch(FT)合成:一酸化炭素と水素の混合ガスから合成軽油など石油代替燃料およびアルコール、オレフィンなど基礎化学品を合成する触媒
  • ※4:出典 "Integrated tuneable synthesis of liquid fuels via Fischer-Tropsch technology", Jie Li, Yingluo He, Li Tan, Peipei Zhang, Xiaobo Peng, Anjaneyulu Oruganti, Guohui Yang, Hideki Abe, Ye Wang, Noritatsu Tsubaki.,Nature Catalysis, Vol.1, 787-793, 2018
  • ※5:出典 "Clever chemistry offers new source of jet fuel", Nature, Vol. 561, 286, 2018 (ネイチャー誌社説)
  • ※6:収率 原料ガスに含まれる炭素のうち、目的の炭化水素(本開発では炭素数8以上16以下の液体炭化水素)に変換された炭素の割合。触媒の性能を記述する指標となる
  • ※7:水素化処理 ゼオライト触媒を用い、水素を添加することで、炭素数20以上の固体炭化水素(ワックス)の鎖構造を切断し、炭素数の小さい液体炭化水素に変換する処理
  • ※8:出典 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会(第61回会合)資料新規ウィンドウを開きます

新触媒プロセス

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FT合成によりSAFを製造するプロセス

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以上

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  • JFEエンジニアリング株式会社 総務部広報室