洋上風力基礎
プロジェクト概略
政府は、2050年に温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標を揚げ、洋上風力発電は再生可能エネルギー主力電源化の切り札として期待されています。2020年12月に発表された「洋上風力産業ビジョン(第1次)」においては、2040年までに30~45GWの案件形成と国内調達比率を60%にする目標が示されました。
上記背景を受けて、当社は2021年4月に風力基礎PJチームを立ち上げ、国内初のモノパイル式基礎製造工場の建設を開始しました。
洋上風力発電用風車の基礎のうち、モノパイル式基礎は支柱としてのモノパイルと風車タワーとの接続のためのトランジションピースで構成され、極厚・大口径・長尺の超重量物で、国内既存工場では製造が困難な大きさであり、完成すれば本工場は国内初のモノパイル式基礎製造工場となります。
当社は速やかに国内モノパイル製造拠点を整備するとともに、将来的には既に港湾桟橋等で豊富な実績があるジャケット式基礎を加え、着床式基礎の純国産フルラインナップ体制を目指します。急拡大する洋上風力発電の建設需要に確実に応えるとともに、カーボンニュートラル実現に大きく貢献して参ります。
当社の洋上風力基礎設計技術開発およびモノパイル製造工場建設計画について、より詳しく知りたい方は以下JFEグループの技報をご参照ください。
取組方針:着床式基礎の純国産フルラインナップ
国内製造拠点
モノパイル新工場は、JFEスチール西日本製鉄所(福山地区)の敷地内(岡山県笠岡市)に建設予定です。JFEスチールが製造した大単重厚板を岡山県笠岡市内の新工場に輸送した後、モノパイルとトランジションピース素管を製造します。その後、モノパイルについては洋上風力発電事業の建設地へ直接、海上輸送します。一方、トランジションピース素管についてはJFEエンジニアリング津製作所へ海上輸送し、2次部材、内装品を設置してトランジションピース完成品とした後、津製作所より建設地へ海上輸送します。
岡⼭県笠岡市 モノパイル新⼯場(20万m2)
- モノパイル製造
- トランジションピース素管製造(津へ横持)
三重県津市 JFEエンジニアリング津製作所
- トランジションピース最終組立
- ジャケット製作
モノパイル新工場の概要
建設地 |
岡⼭県笠岡市 (JFEスチール⻄⽇本製鉄所福⼭地区内) |
投資規模 |
400億円程度(⼯場建屋、機械設備、岸壁整備等) ※津製作所の設備増強費含む |
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建設開始 | 2022年6⽉ | 敷地面積 | 約20ha(保管エリア含む) |
生産開始 | 2024年4⽉ | ⽣産能⼒ | 年産8~10万トン程度(約50セット) |
出荷岸壁長 | 200m (岸壁全長 400m) | 岸壁水深 | -11m |
生産可能モノパイルのスペック
直径 | 最大12m程度 |
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板厚 | 最大130mm程度 |
長さ | 約100m |
重量 | 約2500ton |
モノパイルの製造フロー
津製作所(トランジションピース組立・ジャケット製造)の概要
津製作所は当社の鋼構造物製作拠点であり、日本最大の鉄鋼構造物生産工場です。津製作所はこれまで当社の主力工場として稼働し、明石海峡大橋など日本を代表する橋梁、日本エジプト友好橋(スエズ運河橋)などの海外橋梁、ケーソンや防波壁を含む沿岸構造物の製作を主に行ってきました。多様な鋼構造物の製作経験と大型の洋上風力発電基礎部材にも対応可能な広大な敷地と岸壁を活かして、トランジションピースの最終組立(二次部材取付、塗装)とジャケット式基礎の製作を担います。
切断加工重量 | 3~4万t/年 |
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敷地面積 (海洋ドッグ含む) |
100万m2 |
総人員 | 約1,000名 |
トランジションピースの製作フロー(二次部材取付)
認証取得について
現在、DNV工場認証取得準備中です。