プロジェクトストーリー 「環境負荷の少ない地域貢献型施設」を計画・実現する 「クリーンプラザふじみ」は新技術の採用による環境負荷低減とランニングコスト低減を両立させ、さらに住宅街に隣接するごみ処理施設だけに周辺への影響を充分に配慮する必要があった。JFEエンジニアリングのこれまでの経験と技術が随所に発揮された案件だ。

技術の粋を結集した「ごみ焼却システム」の提案

「くらしの礎(もと)を創る。」を理念に多彩なソリューションを提供するJFEエンジニアリングは、循環型社会づくりに貢献する「環境システム」においても豊富な実績を有する。代表例のひとつに、新ごみ処理施設「クリーンプラザふじみ」の建設工事が挙げられる。東京都調布市と三鷹市で構成するふじみ衛生組合からの発注で、日量144tの処理能力を有する焼却炉2基と最大9,700kWの蒸気タービン発電設備から構成される施設だ。
「入札にあたり、我々が提案できる技術とお客様からの要求、事業方式(DBO方式)を総合的に検討し、コンセプトをまとめました。プラントの基本性能である『優れた操業安定性、安全性』に加え、『環境負荷の極小化』『エネルギー効率の最大化』『周辺地域との共生』『優れた経済性』の5つです。当社の技術の粋を結集しました」と、プロジェクトマネージャー(PM)の半澤は語る。その“粋”の基軸になるのは、独自技術である二回流式ストーカ炉、ハイパー火格子に加え、「高温空気燃焼技術」と「排ガス再循環」を応用した低空気比燃焼、さらに新技術である高効率乾式有害ガス除去装置である。本システムを用いることで、大気中に排出されるCO(一酸化炭素)、DXNs(ダイオキシン類)、NOx(窒素酸化物)、HCl(塩化水素)等の有害物質を低コストで非常に低い値に抑えることができる。

技術とコストのバランス、PFIの手法を活かした提案

本プロジェクトの入札準備から竣工までの、営業を担当したのは当時入社1年目の遠藤だった。「入社間もなく、全てが初めてで緊張の連続でしたが、お客様のニーズや悩み、課題なども社内の技術部隊へ正確に伝えることを心がけました。また、入札は総合評価一般競争入札方式※1だったので、コストと技術の両側面を合わせて受注を勝ち取ろうと決まりました。当社システムの導入提案に加え、過去に受注したPFI※2事業での実績をコスト面へ反映しました」。結果は、技術点、価格点ともに2位だったものの、総合評価で1位となり受注。まさに狙い通りの受注だった。
プロジェクト開始後、いくつもの不測の事態に見舞われた。電気計装を担当した野本は語る。「お客様から『ごみ計量システムを既存施設と統合したい』との要望を受けました。もちろん当初の契約には無く、安易に受け入れると当初予算を大幅に超えてしまいます。営業の遠藤さんや半澤PM、計量機メーカーと何度も話し合い、お客様へ運営コストの見直しをお願いし、苦労の末、システム統合とコストの両立ができました。」「技術はともかく、コスト面も含めてあんなに野本君が交渉に力を入れた姿は初めて見たよ(笑)」と、遠藤部長は当時を振り返る。

  • ※1 価格要素に加え、新技術・ノウハウなどの技術要素を含めて総合的に評価する方式
  • ※2 公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間企業が引き受ける手法

いくつもの厳しい局面を乗り越えて、モチベーションを高める、部署を越えた連携

土木建築担当の蝦名が苦労したのは、日影制限(建物の影の規制値)だ。「シミュレーションして建物の高さを決めていくのですが、東京都は緯度経度の設定が特別で、そのせいで建物の設計を大きく見直す必要が生じました。プロジェクトマネージャーの半澤さんにも協力していただいて、工程に支障をきたさずに済みましたが、あのときは冷や汗をかきましたね」。
「工程管理で一番厳しかった要因は、東日本大震災でした。作業員の大多数が被災地の復旧のため現地へ赴いてしまったこと、資材の確保も十分に出来なかったことで2週間は完全に工事が中断してしまいました。やりきれない気持ちでいっぱいでしたが、このプロジェクトを無事に終えることが自分に出来ることだと考え、工程を何度となく練り直した上で、プロジェクトの全員が力を合わせて作業を進めました」と、現地所長だった岡川は振り返る。
「そんな状況にもかかわらず、現場の雰囲気は良かったんです。メンバーの誰もがモチベーションを高くしていたし、コミュニケーションも非常に円滑でした。おかげで、試運転に向けて準備をしながら全く不安を感じずに済みましたね」と、野本は言う。
試運転も無事に終え、2013年3月に竣工・引き渡しを終えた本施設は順調に稼働しており、売電を含めた運営事業も軌道に乗り始めた。半澤が目指した「単なるごみ焼却施設を超えた、地域の発電・エネルギーセンター」となったクリーンプラザふじみは、プロジェクトメンバーを含め多くの社員の協力を経て実現した。これからも全国各地の自治体関係者の注目を集めることだろう。

PROJECT MEMBER PROFILE プロジェクトメンバープロフィール
PAGE TOP