研究室のミリグラム単位から、
街を支える巨大なスケールの世界へ。
大学院では環境汚染物質の分析を研究していました。実験室でサンプルと向き合い、地道にデータを取る作業も大切ですが、次第に「問題を指摘するだけでなく、目に見える形でダイナミックに解決したい」という想いが徐々に芽生えました。
JFEエンジニアリングの説明会で知ったのは、ごみ焼却施設が単なる処理施設ではないということ。環境技術で有害物質を除去し、焼却熱で発電もする。更に、環境保全とエネルギー創出を両立している。衝撃を受けましたね。研究室のミリグラム単位の世界とは対照的な、一日数百トンのごみを処理し、数千世帯分の電力を生み出すプラントの圧倒的なスケール感。環境保全とエネルギー創出を両立する技術力と、JFEグループという揺るぎない歴史に惹かれました。
最後は父の「ここは日本鋼管(旧社名)や、絶対ここやけん」という力強い後押しもあり、それだけ信頼と実績のある会社なのであれば、と入社を決めました。
現在は名古屋市内のごみ焼却施設において、副所長兼プラント工事主任を務めています。既存の建屋という"器"を活かしたまま中身を刷新する、非常にチャレンジングな「リノベーション」プロジェクトの最前線に立っています。

「前例がない」は「前例を創る」こと。
今の現場は、他社が設計した既存建屋内に、当社の最新設備を組み込むという前例のない試みを行っています。屋根も壁もある限られた空間へ、20トン超の機器をどう搬入するか。「天井クレーンを45度傾けて斜めに差し込む」「地上30メートルでボイラドラムを横引きする」といった特殊工法を自ら計画しました。
施工会社さん任せにせず、自身の経験と本PJの課題に応用できるかもしれない先人達の蓄積を組み合わせ、毎日「どうすればできるか」を突き詰める。誰も思い付かないようなアイディアが閃いたり、計画通りに巨大な機器がミリ単位の精度で据え付けられた瞬間は、すごく気持ちがいいですね。
この手法は、解体廃材を抑え、自治体の財政負担も大幅に軽減できる「第3の選択肢」として全国から注目されています。
この現場で私たちが試行錯誤して蓄積しているノウハウは、将来必ず次なる現場のモデルケースになる。「前例を創っている」という自負が、日々の苦労を誇りに変えてくれます。
入社間もない2011年、未曾有の大災害に襲われた被災地の復興支援として、宮城県名取市での仮設焼却炉建設に携わりました。通常1年以上かかる建設をわずか3か月で完遂させるという、文字通りの超特急工事。右も左も分からない未熟な私でしたが、凍える現場で「故郷のために」と家や家族を失いながらも必死に働く地元の方々の姿に、「弱音を吐いている場合じゃない」と魂を奮い立たせました。
焼却炉に火が入り、がれきの処理が開始された瞬間、地域の方からいただいた「ありがとう」の言葉。私たちが創っているのは単なる構造物ではなく、人々の生活と未来を支えるインフラなのだと、この過酷な現場が教えてくれました。

「最終防衛ライン」として、
設計の思想を確かな現実に変える
建設部門は、設計図を実際の構造物として具現化する最前線の組織です。私は自分たちを、品質を守る「最終防衛ライン」だと自負しています。図面上では完璧でも、現場という実物・実環境を肌で感じる私たちにしか気づけない違和感があります。その「触覚」を研ぎ澄ませ、不具合をスルーせず、設計へフィードバックすることがプラントの完成度を高めます。
また、ごみ処理施設は、周辺環境への負荷を最小限に抑え、地域住民の方々が安心して暮らせる環境を守る「公衆衛生の砦」です。30年、40年と稼働し続ける施設を造る責任は重大ですが、だからこそ安全・品質・工程・コストのどれも取りこぼさず、お客様に約束した性能を期日までに引き渡すことに全力を注いでいます。

全責任を背負い、最高のワンチームを率いる所長へ
私の次なる目標は、現場所長としてプロジェクト全体を統括できる技術者になることです。現在はプラント工事主任として、焼却炉やボイラ、排ガス処理設備といった多岐にわたる工事の調整、建築工事や発注者への対応を担っています。この役割を通じてプロジェクトを動かす面白さを実感する一方で、予算、工程、品質、安全のすべてに全責任を負い、より高い次元から全体を俯瞰する「現場所長」という視点の重要性を痛感しています。
理想は、「やばいことを、やばいと正直に言い合える」風通しの良い、明るく楽しい現場です。建設現場の仕事はきつく、厳しい局面も多いからこそ、事務所の雰囲気は最高でありたい。学生時代にラグビーで学んだ「One
for All, All for
One」の精神そのままに、一人はみんなのために、みんなは一つのゴールのために動く。そんな「ワンチーム」の力を引き出し、さらなる難題を乗り越えていくことが、私の目指すリーダーの姿です。
「情熱」が世界を動かす。
本気でぶつかれる仲間と、新しい前例を創ろう
学生の皆さんには、ぜひ「情熱」を持って飛び込んできてほしい。JFEエンジニアリングには、若手の「やってやろう」という熱意を面白がり、支えてくれる温かい文化があります。 かつて名取の現場で、当時の所長に教わった「ゴール(落とし所)を描いてから話しなさい」という言葉は、今も私のモットーです。何百人もの職人さんを動かすには、自分が信じた正解へ周囲を誘導する強さが必要。何か一つ、譲れないこだわりを持っている方。あなたと一緒に、新しい「当たり前」を創っていける日を楽しみにしています。






















