資源小国である日本。今後どのように資源を確保してゆくべきでしょうか。
今、世界中で経済の飽くなき追求がなされています。経済の拡大には理論上の限界はありません。地球上の人口が増え続ける中、多くの人がより豊かになろうと精力的に絶えず努力しています。拡大する経済活動は消費の拡大そのものであり、エネルギー、物質、食物といった消費が世界で拡大しています。消費にはそれに応える供給の源となる資源が不可欠であり、消費の拡大はそのまま資源需用の拡大へとつながっています。しかし一方で、我々は地球という閉鎖環境の中でしか今のところ生命を維持できません。故に、地球上にある資源しか使えないという不可避かつ人類共通の制約が存在しています。つまり、我々は、地球上にある資源という制約の中で、経済活動の最大化を目指さなくてはならないわけです。
下図の左半分は消費から各資源への連鎖を示しています。 エネルギー消費に応える資源としては、主に石炭、石油、天然ガスなどの化石資源が用いられてきました。それらに加えて、原子力源としてウランなどの鉱物資源、水力、地熱、風力などの自然揺動、バイオマスなどの生物資源などが活用されつつあります。物質消費に応える資源としては、プラスチック類等の原料としてやはり化石資源が、そして鉄、アルミなどに代表される金属として鉱物資源が使われています。また、日本では古来より建築物や構造物の素材として木などの植物が用いられているほか、最近ではプラスチック原料としてバイオマスを使うなど生物資源の活用も拡大しています。食物消費に応える資源としては、穀物、野菜、果物、家畜などの生物資源と、それを水資源が下支えしている構造です。 昨今では、資源の需要が、エネルギー、物質、食物といった消費との関連性の中で、今まで以上に相互に絡みあい複雑化しつつあります。

経済活動を維持・拡大するためには、必要な資源の確保はもとより、資源の多元化による危険分散や、それらの効率的なミックス、そして何よりその消費の効率化を図らねばなりません。それを実現するために不可欠なもの、それは「技術」です。「技術」は資源制約の緩和に貢献することができます。エネルギー消費を例に考えると、
エネルギーや物資の消費へ対応する化石資源としては、歴史的に、石炭、石油、天然ガスとその利用が進んできました。しかし最近ではその需要の高まりにともない、価格が急激に上昇しつつあります。そこで注目されつつあるのが未利用の化石資源です。今までは経済性や対環境性から利用が進まなかった低品位炭(褐炭他)などの利用が見直されつつあります。石炭は、石油や天然ガスより可採年数が長いという大きな特徴があり、その石炭をクリーンで扱いやすいFT合成油、DMEなどの新エネルギーや、化学基礎原料であるメタノールやアンモニアに転換することも、技術の進歩とともに経済的に成立しうる状況になりつつあります。
今、石炭、石油、天然ガス、ウランなどの重要なエネルギー用の資源は、国家セキュリティとしての多元化という見地だけでなく、地球温暖化対策としてのベストミックスが求められています。そのような中、新たな資源として注目されるのは生物資源であるバイオマスです。バイオマスはカーボンニュートラル(地球上の二酸化炭素が増えない)な資源と考えられています。但し、バイオマス利活用は、食糧とのバッティングも指摘されており、現実にバイオエタノールの原料となる穀物類の高騰に起因した食物の価格上昇が世界各地で報告されています。エネルギー消費向け資源としてのバイオマスは、飲食消費とは関連の低い非食用植物、農業残渣、林地残材、廃棄物などのバイオマス利活用技術の進化にかかかっていると言えるでしょう。
日本は、2度にわたるオイルショックを経て、エネルギー効率という意味で世界でも先進的な位置にあります。それを支えるのは日本の省エネルギー技術です。一次的な使用を経て排出される廃熱の利用、高効率な内燃機関やバーナーなどの燃焼機器、熱の発生場と需要の時間や空間を超えた利用を進める蓄熱技術など、世界でも有数の技術と適用実績を誇り、今もその技術は進化しています。