消費拡大にあわせ排出物も増加。環境に対する負荷がますます増大しています。
わたしたちが経済活動を行うのにともない、地球環境にはさまざまな負荷がかかっています。そして、その対策もさまざまです。
1970年代に問題となった光化学スモッグ。天気が良いのに外で遊べないことを不満に思った子供時代が思い起こされる方もいらっしゃると思います。公害対策がすすんだこともあり、近年まで注意報の発令件数は減少傾向にありましたが、ここ数年再び増加傾向にあります。中国の工場からの排出物質の影響とも言われていますが、国内での原因物質排出量が減っていないことも原因と考えられています。
VOC(volatile organic compounds)も原因物質のひとつです。VOCとは、揮発性を有し大気中で気体状となる、トルエン、キシレン、酢酸エチルなど多種多様な揮発性有機化合物の総称です。塗料や溶剤に含まれ、塗装工場、工事現場、印刷所、接着剤や洗浄剤を使用する工場、ガソリンスタンド、ドライクリーニング店など、排出源はさまざまです。大規模工場はもとより、小規模事業所からの排出も多いため、削減がすすんでいませんでしたが、2006年4月に大気汚染防止法が改正され、「法規制」と「自主的取組」を組み合わせた対策が打ち出されました。2000年の排出量を基準に2010年までに30%程度削減することを目標におき、このうち10%は従来の手法による大型排出設備への規制で削減して、残り20%を排出業者の自主的取組による削減に期待しています。自主的取組は義務ではないため、対策にはより一層の費用対効果と工夫が求められることになります。
VOC対策のような大気環境保全にとどまらず、地球温暖化防止、水環境や土壌環境の保全、廃棄物のリサイクル、化学物質対策・・・などについても、より積極的な取り組みが企業にも求められています。
とくに近年では、CSR(企業の社会的責任)重視の経営が浸透。規制がなくても、また規制が緩くても企業が自ら率先して対策を行い、環境に対する取り組みを社外に向けてアピールする傾向が強まっています。またさまざまなステークホルダーもその取り組みを企業価値の重要な要素として評価しています。
いまや「3R」は日常用語となっています。リデュース(Reduce):廃棄物等の発生抑制、リユース(Reuse):再利用、リサイクル(Recycle):再生利用、の3つの頭文字をとったものです。
地球環境に多大な負荷をかける旧来の「大量生産・大量消費・大量廃棄」型社会から脱却し、環境への負荷が少ない「循環型社会」を全世界でつくるためのキーワードのひとつです。(「もったいない」はもうひとつのキーワードです)
国内では、容器包装リサイクル法、家電リサイクル法、食品リサイクル法、建設廃材リサイクル法、循環型社会形成推進基本法など、さまざまな法整備も行なわれています。
また、技術開発により、ケミカルリサイクル・マテリアルリサイクル・サーマルリサイクルなど、リサイクルのメニューは多様化し、対象物の性状や特性、あるいは地域の状況に応じた適切な対策を行うことも可能となっています。
それでも、増え続ける廃棄物の不法投棄、膨大な廃棄物発生による最終処分場の確保の問題など、廃棄物処理を取り巻く問題はいまだにとどまることはなく、かえって複雑化しているケースもあります。
1992年の地球サミットでは、生物多様性は次のように定義されています。「陸上、海洋およびその他の水中生態系を含め、あらゆる起源をもつ生物、およびそれらからなる生態的複合体の多様性。これには生物種内、種間および生態系間における多様性を含む。」すなわち、「生態系に多様な生物が存在していること」と言い換えることもできます。
生物進化の結果、地球上のさまざまな地域に応じた多様な生物が生息していますが、近年、その多様性をおびやかす事態が多く発生しています。その原因は、ひとつは、生息地の破壊であり、もうひとつは、外来種の流入であるといわれています。
生息地の破壊、は人口爆発、森林破壊、大気汚染、水資源汚染、土壌汚染、地球温暖化や気候変動など、人間の活動が原因となっています。地球温暖化対策としてのバイオマス利用も、極端な利用は生息地の破壊につながりえます。
外来種の流入も、交通手段の発達や全世界をまたがる物流網の整備がもたらした結果です。日本でも、ブラックバスやブルーギル、カミツキガメなど、外来種の名前をよく耳にします。
近年注目されているのは、船舶のバラスト水による海洋生物の移動です。タンカーや貨物船などは、空荷時のバランスを維持するため、荷揚げした港で船底のタンクに海水(バラスト水)を注入します。そのバラスト水は、荷積港で排水されるため、海洋生物が他の海域へ移動し生態系を乱すことが懸念されています。近年では、有毒なプランクトンが日本からオーストラリアに運ばれたり、カスピ海のカワヒバリガイが北米の五大湖に侵入、発電所の取水パイプを詰まらせる事件が発生しています。このようななか、国際的な規制をする動きが活発化し、国連の下部組織である国際海事機関(IMO)は2004年、船舶へのバラスト水処理装置の掲載を義務付ける条約を採択しています。
「JFEエンジのとりくみ」
当社はガス精製処理、廃棄物処理、水処理の分野で古くから業界トップレベルの先進技術を数多く世に送り出してきました。リサイクル対策についても、容器包装リサイクル法に対応した廃プラスチックの高炉原料化を皮切りに、さまざまなメニューでお応えします。また、新たな問題である、VOC対策やバイオマス利活用、バラスト水処理を含む沿岸海域浄化などについてもユニークな商品を提供して快適で健全な環境の保全に貢献しています。