日立・高萩広域下水道組合様(茨城県)向け下水汚泥消化ガス発電システム
全国の県庁所在地規模の都市では、下水汚泥を濃縮して消化タンクに投入し、そこで発生するメタンガスを燃料とする下水汚泥消化ガス発電装置が普及しています。
温室効果がCO2の21倍といわれているメタンガスを回収し、発電に使うことは、地球温暖化防止とエネルギーの無駄を省くという二重の効果があります*。さらに最近の原油高騰で経済効率の面からもそのメリットが見直されています。
より積極的に、メタンガス発生量を増やして経済性を上げることはできないだろうか、という考えもそのひとつです。
茨城県の北部海岸沿いに位置する日立・高萩広域下水道組合の伊師浄化センターでは、これまで発生する消化ガスの20%を熱エネルギーとして回収し、消化槽の加湿に利用するほかは燃焼処理していました。
そこで、その全てを熱と電気のエネルギーとして回収するコ・ジェネレーション導入を検討されていました。温室効果ガスの削減が最大の目的でしたが、同時に、いかに採算性を確保するかが大きな課題でした。JFEエンジニアリングは、東京都や横浜市など多くの実績で消化ガス発電ではナンバーワンのシェアを有し、またタンクや発電機だけでなく、脱硫装置やシャンプーに含まれるシロキサン(燃えるとシリカになって、エンジン等の機器をいためます)除去装置など周辺装置でも技術を蓄積してきました。

当社開発のシロキサン除去装置を装備その経験をベースに、イニシャルコストとランニングコストの削減を様々な角度から検討し、消化ガスエンジン発電システムを核とする総合的な運用システムを提案しました。特にシロキサン除去設備の設置による安定操業とそれによる約20%の維持管理費の削減が高く評価されました。
平成16年8月に着工し、平成17年3月末にシステムが完成、運転を開始し、その後順調に稼動を続けています。新しいシステムにより、計画では、電気使用料は約50%、温室効果ガス排出量は約40%削減できる見通しです。
かつては大都市圏の下水処理場で多く採用されてきた消化ガス発電ですが、地方都市の下水処理場におかれましても、地球環境への貢献と経済効果の両立を実現する消化ガス発電のご検討を、JFEにご相談ください。豊富な経験と確かな技術に基づくソリューション提案でお応えします。
また、下水汚泥にほかの廃棄物を混ぜ、ガスの発生量を上げるという研究を、JFEは2007年3月まで、(財)下水道新技術推進機構と共同で行ってきました。家庭や外食産業、食品工場などから出る生ごみなど水分の多いバイオマスを下水汚泥と一緒に発酵させて、メタンガスとして回収しようという研究で、すでに実用化の目処が立っています。
可燃ごみとして家庭から出されている生ごみを、分別回収する仕組みの整備や、一般ごみと産業廃棄物をまとめて処理するための法制度の整備など、解決しなければならない課題はありますが、JFEエンジニアリングは、固有の技術を核にして、地域に即したシステムづくりに参画していきたいと考えています。
*消化ガスなどのバイオガスは、国際的な取り決めで、その燃焼に伴うCO2の排出は温室効果ガスの対象物質には積算されません。

パッケージ型のコンパクトなバイオガス発電設備とパッケージ内部/バイオガスエンジン