ニュースリリース2010
2010年6月24日
日本郵船株式会社
JFEエンジニアリング株式会社
バラスト水処理システム 国産第一号機の実用化決定
~邦船社初、就航船への搭載~
 日本郵船株式会社(本社:東京都千代田区、社長:工藤泰三)は自動車専用船「エメラルドリーダー」にJFEエンジニアリング株式会社(本社:東京都千代田区、社長:岸本純幸)が開発した、バラスト水処理システム(※1)「JFEバラストエース」(※2)を搭載します。この「JFEバラストエース」は国産で初めて国土交通省の型式承認を受けて実用化されたもので、その第一号機の本船への搭載は2010年8月に行われる入渠工事に合わせて、ユニバーサル造船株式会社 因島事業所で行われます。

 日本郵船は、バラスト水管理条約(※3)の発効に先立ち、地球環境への配慮の一環として、バラスト水処理システムを船舶に搭載する検討を進めてまいりました。その結果、信頼性、将来性などを総合的に判断し、日本郵船グループの株式会社MTIが実証試験段階から共同で携わった「JFEバラストエース」を、本船への搭載システムとしての採用を決定しました。日本郵船が運航する船舶にバラスト水処理システムを搭載するのは、今回が初めてです。

 「JFEバラストエース」は、海水フィルター、薬剤(※4)、ベンチュリー管(※5)の3機能をベストミックスし、バラスト水内の水生生物、菌類を処理する装置です。処理の確実性、機器配置の容易性、船員・環境への高い安全性を低コストで実現します。また、小型機から単体で世界最大級の処理能力となる大型の3500m3/h機まで、豊富なラインナップをそろえ、すべての船舶に搭載が可能です。

 日本郵船は、今回の経験を生かし、保有・管理する船舶への搭載検討を順次進め、積極的に環境への取り組みを続けてまいります。また、JFEエンジニアリングは、海運・造船会社のお客様にきめ細かで充実した技術サービスやアフターサービスを提供し、さらなる受注を目指します。


 1.「エメラルドリーダー」主要目
 
全長: 176m
全幅: 31.1m
総トン数: 41,000t
積載能力: 完成車4,750台

 2.本船に搭載するバラスト水処理システム「JFEバラストエース」主要目
 
形式: フィルター・薬剤併用型
時間当たり処理量: 700m3/h


※1.バラスト水処理システム
   バラスト水とは船舶がバランスを保つため保持する海水であり、通常荷揚港で船底のタンクに注水し、荷積港で排出される。バラスト水処理システムとは、このバラスト水とともに運ばれた海洋生物を処理し生態系を乱すことのないようにするシステム。バラスト水管理条約が発効されれば、本条約に定める処理基準を満たすため、全ての外航商船にバラスト水処理システムの設置が義務付けられる。また、新造船・既存船の順に2017年1月にかけて順次規制対象が拡大される。

※2.JFEバラストエース開発経緯
  2004年    開発着手
2008年    陸上試験実施
2009年    船上試験実施(日本郵船グループの株式会社MTIと共同)
2010年3月  国際海事機関(IMO)の最終承認取得
2010年5月  国土交通省の施行前試験合格証明書(型式承認)取得

※3.バラスト水管理条約
   環境や人の健康、経済活動に対して有害な水生生物及び病原体の移動を防止することを目的として、船舶のバラスト水及び沈殿物に関する規制及び管理を行うための国際条約。正式名称は「船舶のバラスト水および沈殿物の規制および管理のための国際条約」で、2004年に採択されたが、現時点では未発効。

※4.薬剤
  東亞合成株式会社が開発した以下の薬剤を使用する。
 殺菌剤:「TGバラストクリーナー®」
  主成分:次亜塩素酸ナトリウム
  水道、プールの消毒、食品添加剤に使用される。
 中和剤:「TGエンバイロンメンタルガード®」
  主成分:亜硫酸ナトリウム 
  食料品の防腐剤、染料の製造などで使用される。

※5.ベンチュリー管
   管内流路の縮小と拡大により発生させた強力な渦により、薬剤とバラスト水を混合/攪拌するとともに、泥や砂に付着したバクテリアを分離して殺菌力を高める装置。

バラストエース可動フロー


●本件に関するお問い合わせは下記にお願い致します。
  日本郵船株式会社 : 広報グループ TEL.03-3284-5188
  JFEエンジニアリング株式会社 : 総務部広報グループ TEL.045-505-8953