バックナンバー 2009
ニュースリリース
2008
2008年10月29日
JFEエンジニアリング株式会社
株式会社MTI
船舶用バラスト水管理システムの船上実証試験を開始
~国内最大の処理能力を持ったコンパクトで実用的なシステム~
 JFEエンジニアリング株式会社(東京都千代田区 代表取締役社長 岸本純幸)と日本郵船株式会社の子会社である株式会社MTI(東京都千代田区 代表取締役社長 安永豊)は、船舶用バラスト水管理システム(JFE-BWMS)(注1、注2)の実証試験装置を搭載したバルクキャリアによる船上実証試験を本年11月より開始します。
 実証試験は、装置を開発したJFEエンジニアリングと同装置の船舶での適用性を検証するMTIと共同で実施し、国際海事機関(IMO)の装置付薬剤の最終承認(G9(注3)の最終承認)取得および、国土交通省の装置に関する型式承認(G8(注4))の2009年度中の取得を目指します。

 実証試験に用いる設備は大型外航船舶への搭載が想定される1,000m3/hという国内最大(注5)の処理能力を持ち、本年8月に就航したオープンハッチバルカー SAGA PIONEER(注6)に搭載されています。
 このシステムは、高機能フィルター、適正・安全な薬剤使用、キャビテーション(注7)の3機能をベストミックスで使用することにより、コンパクトで扱いが平易という特徴を持ちます。装置は高機能フィルター、キャビテーション装置、薬剤供給システム、薬剤タンク、および計測制御装置からなり、複合プロセスシステムとしてはシンプル、コンパクトでモジュール分割が可能なため、スペースに限りがある船舶内でも比較的設置が容易です。また、装置がシンプルなため、運転・メンテナンスが容易で設置コストが安くなるなど、実用的なシステムと言えます。

 なお、JFEエンジニアリングは既に2004年から独自の陸上試験設備にて試験を実施、水生生物の量を排出基準(D-2基準(注8))内に抑えることに成功し、本年10月初旬にロンドンで開催されたIMOの第58回海洋環境保護委員会にて、使用する薬剤の基本承認(G9の基本承認)を得ています。

 JFEエンジニアリングとMTIは最先端の環境技術によって、地球環境の保全にこれからも貢献してまいります。
以上

参考1:システムの概要 [PDF1.32MB ]
参考2:バラスト水の処理フロー図 [PDF500KB ]


●本件に関するお問い合わせは下記にお願い致します。
 JFEエンジニアリング株式会社 総務部広報グループ TEL.045-505-8953
 株式会社MTI 技術戦略グループ  TEL:03-5222-7614又は(広報:7877)


【用語解説】

注1:バラスト水 タンカーや貨物船が空荷時のバランスを保つため、荷揚げした港で船底のタンクに注入し、荷積みする港で排出される海水。現在、このバラスト水とともに運ばれた海洋生物が生態系を乱すことが国際的な問題となっている。国際海事機関(IMO)は2004年「船舶のバラスト水および沈殿物の規制および管理のための国際条約」を採択し、その規制対象となる大型外航船舶はすべて航行の際に使用するバラスト水内に生息する水生生物の量を排出基準(D-2基準)内に抑えることが義務付けられる。 注2:JFE-BWMS JFE-Ballast Water Management System(船舶用バラスト水管理システム)の略。船舶に搭載してバラスト水内に生息する水生生物の量を排出基準(D-2基準)内に抑えるため、処理を行う装置。 注3:G9 活性物質を使用するバラスト水の管理手順。バラスト水管理システムで使用される化学薬品等の承認の手順が明記されている。 注4:G8 バラスト水管理システムの型式認証のためのガイドライン。 注5:国内最大 国内メーカーによる船上実証試験設備で最大。 saga pioneer 注6:SAGA PIONEER  (写真右) 船種:Box Shape Bulker
船主:SAGA Shipholding(Norway)AS
   〔日本郵船グループ〕
Deadweight(summer):46,882MT
注7:キャビテーション パイプの一部を絞ることで、液体が狭矮部を通過直後に低圧下で瞬間的に気化する現象。キャビテーション装置内でこの現象により生じた泡が、プランクトンを物理的に破壊するとともに、薬剤を瞬時に攪拌し、プランクトンの殺滅効果を高めることができる。 注8:D-2基準 「船舶のバラスト水および沈殿物の規制および管理のための国際条約」の中のD節-2に規定されるバラスト水排出基準。