ニュースリリース
2003年8月22日
JFEエンジニアリング株式会社
日立プラント建設株式会社
クリーンルームの省エネルギーを実現する
冷熱輸送システムを実証
 JFEエンジニアリング株式会社(本社:東京、社長:土手 重治)と日立プラント建設株式会社(本社:東京、社長:石黒 元)は、半導体工場用クリーンルームの省エネルギーを実現する冷熱輸送システムの実証実験を行いました。

 近年、半導体工場をはじめとするエネルギー多消費型工場において、省エネ法の改正や環境問題の取り組み強化にともない、省エネルギーが大きな課題となっています。一方、生産装置の大型化や生産品の変更等にともなう室内負荷の増大により、冷房能力の増強が求められています。
 これらのニーズに応えるものとして、両社は共同で高密度潜熱輸送媒体(水和物スラリ)を用いた半導体工場用クリーンルームの冷熱輸送システムの実証実験を開始しました。

 本システムは、温度域5~12℃において冷水より高い熱容量を有し熱輸送性能にも優れた水和物スラリを用いた冷熱供給・輸送システムで、輸送系動力の削減や輸送熱量の増大が期待できるものです。
 水和物スラリは、優れた熱特性を有する液系包接水和物の微細な結晶粒子と水溶液の固液混相流体であり、水と比べて高い熱容量を有することから、空調システムの冷熱媒体として普及が期待されています。
 なお、本実証実験は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のエネルギー使用合理化技術実用化開発の共同研究開発事業として、JFEエンジニアリング株式会社が平成13年度から進めている計画の一環であり、平成14年には、実証機を既存のオフィスビルの空調システムに組み込んだ実験を行っております。

 本システムの実証実験は日立プラント建設株式会社のクリーンテクノセンタ(千葉県松戸市、実規模実験用クリーンルーム設備)で行い、温湿度環境の維持、冷却能力の性能確認、顕熱コイル系統輸送動力の低減、水和物スラリの安定供給を実証しました。(参考資料)

 今後は長期実証実験を継続するとともに、省エネルギーを指向する半導体関連ユーザーに対して積極的に提案していく方針です。

今回の実証実験の内容と実証結果は以下のとおりです。
(1)温湿度環境維持の確認
クリーンルームでは、一般のビル空調と比べて要求される温湿度範囲は狭いが、今回、水和物スラリを用いて、従来の冷水と同様の温湿度環境を維持できることを実証しました。
   
(2)冷熱輸送動力の確認
  理論上、熱輸送媒体の流量が1/2となった場合、輸送動力は流量の3乗に比例して1/8になります。本システムでは潜熱輸送媒体の粘性の増加分があるので、実プラントの輸送動力低減は冷水輸送と比べて約75%と推定しています。本実験においても、同等の低減効果を確認することができました。
   
(3)顕熱コイルの熱交換特性の向上
  半導体工場用クリーンルームでは、クリーンルーム内に設置された半導体製造装置からの発熱により温度上昇した空気を冷却するために、顕熱コイルが設置されています。一般のビル空調で使用されている熱交換器とは異なり、空気中の湿分を除去させないように、入口温度を11℃と高くしているのが特徴です。こうした顕熱コイルを使用して、熱密度が冷水の2倍の水和物スラリを用いた場合、冷水の1/2の流量でも顕熱コイルの冷却能力は、冷水と同等以上得られることを実証しました。
   
(4)水和物スラリの安定供給
  水和物スラリ製造装置をクリーンルームに組み込み、従来の冷水(往き11℃/戻り16℃)に比べ2倍以上の熱密度42~60MJ/m3(10~14Mcal/m3)の水和物スラリの安定供給を実証しました。
以 上  
 
●本件に関するお問い合わせは下記にお願い致します。
 JFEエンジニアリング(株) 総務部総務室 TEL.03(3217)2138
 日立プラント建設(株)   社長室広報部 TEL.03(3576)4114