ニュースリリース
2003年4月24日
JFEエンジニアリング株式会社
次世代型ストーカ炉(JFEハイパー21ストーカシステム)の
基本技術を実炉で実証

~ 画期的な低空気比燃焼達成 ~

 当社 環境エンジニアリング事業部では、昨年秋より北海道苫小牧市沼ノ端クリーンセンターの協力を頂き、同センター1号焼却炉(処理能力105t/日)を改造して、次世代型ストーカ炉の実証試験を実施しておりますが、この度、その基幹技術である『低空気比燃焼技術』に関し、当初の目標であった*空気比1.3を達成し、排ガス量の大幅低減とボイラでの蒸発量の大幅増加を確認致しました。

 1. JFEエンジニアリングの次世代型ストーカ炉技術
 当社の次世代型ストーカ炉技術-JFEハイパー21ストーカシステム-は、操業安定性に優れ実績豊富なストーカ炉で、
1) 低空気比燃焼による排出ガス量の削減と低公害化
2) 熱回収効率の大幅向上(高効率発電)
3) 灰の有効利用のための無害化処理の実現
4) 設備のコンパクト化
を狙ったものです。
 具体的には、
1) 1999~2001年度に経済産業省、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の『高温空気燃焼制御技術開発』に参画し、『廃棄物焼却プロセスにおける高温空気燃焼制御技術の開発』で得た成果による『高温空気燃焼技術』の本格的な適用
2) 排ガス再循環の適用
3) 水冷火格子や独自の燃焼最適化技術-二回流ガス流れ炉-の適用
4) 自社の自動燃焼制御技術- ハイブリッドACC( Automatic Combustion Control )の適用
などにより実現しました。
 特に、従来低空気比燃焼を行うと、局所的な温度偏差などが顕著になることから、COやNOxなどの発生が増加しがちでしたが、『高温空気燃焼技術』によりこうした課題を克服したことが画期的な点です。
『高温空気燃焼技術』とは、安価な空気を加熱して燃焼場に供給し、高温を維持しながら酸素濃度を制御して燃焼させることにより、局所的高温部のない安定燃焼を実現するものです。
 ストーカ炉への適用原理は、炉の両側面から高温空気と排ガスを混合して温度と酸素濃度を調整した気体を吹き込むことにより、ごみ層直上の空間に高温かつ低酸素状態の安定した燃焼場を形成させるもので、これにより従来燃焼に比べて大幅な低空気比燃焼条件下でも局所高温部がなく安定した燃焼を可能とするものです。
 2. 達成技術内容
 今回達成した技術内容と、前提となる操業条件は以下のとおりです。
【操業条件】
1) ごみ焼却量 : 定格量
2) 燃焼空気比 : 1.3
3) 目標炉出口酸素濃度 : 5%(煙突出口酸素濃度:約6%)
4) 排ガス循環量 : 燃焼排ガスの10~20%
5) 高温空気吹き込み量 : 燃焼排ガスの5~7%
6) 炉内温度 : 850~950℃ 
7) 操業日数 : 1水準あたり24時間連続で1週間程度
【達成技術内容】
1) 空気比
  排ガス再循環と高温空気吹き込み技術の適用により、炉出口酸素濃度を5%(空気比1.3の低空気比燃焼)で安定的に操業できることを確認・実証しました。なお、煙突出口排ガス酸素濃度は、減温塔でのパージ用空気や消石灰等の吹き込み用空気等が混入するため6%程度となります。
2) 排ガス量の低減
  排ガス量は大幅な低減を実証・確認しました。一般的な空気比1.7~1.8程度で操業されている炉に対して、25~30%程度の排ガス量低減となります。
3) 蒸気発生量の増加
  今回の低空気比燃焼時の試験データから、排ガスの持ち去り熱量の大幅低減と安定燃焼による炉内噴霧水の削減等により、蒸気発生量が従来燃焼時に比べて大幅(10%以上)に増加することを確認しました。
4) CO
  排ガスのCO濃度は、低空気比燃焼の場合も、従来燃焼と同様に安定して10ppm以下となりました。
5) NOx
  低空気比燃焼の場合、炉内水噴霧を行わない条件で安定して50ppm以下となり、従来比20%以上の低NOx化が確認されました。
 3. まとめ
 以上のことから、低空気比燃焼に関する当初の目標値を全て達成できることが確認されました。なお、ダイオキシン類については現在測定中ですが、上記の燃焼特性から判断して問題ないものと推測されます。
 4. 今後の予定
 低空気比燃焼が実証・確認できたことから、当社は今後、
1) より詳細かつ長期的なトレンドデータの採取と一層の効率化を狙った燃焼・制御条件の探索
2) 灰の無害化処理の実証・確認
等、次世代型ストーカ炉技術の実炉適用に向けて、一層 努力をして参ります。
以 上  
【参考】
空気比: 純粋理論的に燃焼に要する酸素を含有する空気量を『1』とした時に、実際の燃焼反応比率を考慮して、炉内に供給する必要のある空気量。

従来は、1.8程度
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