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オーストラリア テリックス社から 腎がん診断薬の製造を受託

2018年7月26日
JFEエンジニアリング株式会社

JFEエンジニアリング株式会社(社長:大下元、本社:東京都千代田区)とTelix Pharmaceuticals Limited (CEO:Christian Behrenbruch、本社:メルボルン(オーストラリア)以下「テリックス社」)は日本における治験実施に向け分子標的型腎がん診断薬※189Zr -Girentuximab(以下:「TLX250」)の製造に関する受託契約を締結しました。

今回治験を行なうTLX250は、テリックス社が開発した腎がんと結合する物質と、当社が製造する放射性核種「89Zr」を結合させて製造するPET※2診断薬であり、従来技術では不可能だった微細な転移がんも判別できる優れた性能を有しています。本診断薬の治験は米国および欧州で先行していますが、今回の契約はこれらの実績をベースに、日本国内で商品化を進めていくことを目的としています。

JFEエンジニアリングは約30年にわたり、全国37か所の医療機関等にPET診断用サイクロトロンおよび診断薬の合成装置を納入しています。また、本分野の事業拡大に向け、本年横浜本社内に研究施設を新設し、新規診断薬への活用が期待される89Zrに関する技術開発を進めてまいりました。このたび、治験に適用可能な89Zr製造技術に目途が立ったことを受け、本契約の締結に至りました。

89Zrを用いた診断薬の特長として、その優れた性能だけでなく、半減期の長さ(約3日)があります。従来のPET診断では、半減期が短い放射性核種(核種:18F、半減期:約2時間)を使用するため、原則として病院内にサイクロトロンをはじめとする診断薬製造設備一式を設置する必要がありました。これに対し、89Zrを用いた診断薬では、その半減期の長さから、横浜で製造した診断薬を日本国内のみならず、近隣のアジア諸国を含む広い範囲へ供給することができ、より多くの人々が高精度ながん診断を利用可能になります。

当社とテリックス社は、両社が保有する放射性核種の製造技術と新しいがん診断薬の技術を融合させ、最先端医療の普及に貢献してまいります。

  • ※1 分子標的型腎がん診断薬:
    体内の特定の分子を狙い撃ちし、より安全に、より高精度に腎がんを診断する目的で開発された薬
  • ※2 PET:
    Positron Emission Tomography (陽電子放出断層撮影) の略で、放射能を含む薬剤を用いる、核医学検査の一種

腎がん診断薬のイメージ

従来のがん診断薬と新しい診断薬の比較図(イメージ)

以上

本件に関するお問い合わせは下記にお願いいたします。

  • JFEエンジニアリング株式会社 総務部広報室
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